紺碧の夜に

140文字では足りない にじみだすような思い

読書記録 #5

 

ロードムービー

ロードムービー

ロードムービー

 

読了日:2013/01/28

 

1編目は「冷たい校舎の時は止まる」のスピンオフ的なお話らしい。

やっぱり辻村さんは、どこかひんやりとしてるんだけど温かい視線で物語を語られている感じがする。

最後の展開にはびっくりした。まさか女の子だったとは。「冷たい校舎~」も読んでみよう。

 

 

夜の桃

夜の桃

夜の桃

 

読了日:2013/01/30

 

石田さんは、まだ成熟してない危うさを持った人物を描き出すのが抜群にうまくて、時代を鋭く切り取った設定をつくるのも抜群にうまいと思う。そしてそのなかで生き生きと走り回り、悩み、傷つく人間を書きとめてる感じがしてた。

でもこのところの石田さんは、いままでの作品よりも年齢層が高い人々を主人公に据えて、いわば「大人の恋愛」を描くことが増えた気がする。

 

その途端に、まるで表面的なものを描き出してしまったような気がする。

もちろんこれは私の捉え方だし、これだけ彼の作品が多くの人に愛されているってことは変わらず魅力的なんだろうと思う。

だけど私には魅力がない。まるで綺麗な嘘を並べて眺めてひとり満足してるような感じ。入り込めない。うわべだけに見えてくる。

 

この作品の主人公「雅人」も、偉そうにゴタクを並べて3人の女を同時に愛することを正当化しているけれど、そんなの所詮自己満足じゃないか。体ってそんなに絶対的なものなのか?心よりも??

 

この作品のよさがわからないのは、私がまだまだ子供だから なのかな。

 

 

春狂い

春狂い

春狂い

 

読了日:2013/02/04

 

私の中で「エロ3・グロ(キモ)5・切ない2」の割合。

春に関する短編集かと思いきや、人物もつながっていた。

 

桜庭さんの七竃もそうだったのだけど、美しすぎるということは、時として人生を困難にするらしい。卯月の人生は壮絶だ。

結城と卯月の暮らしの章が好き。前原の無関心さも。それにしても、変態教師しかでてこない話だったな。

 

 

がらくた

がらくた (新潮文庫)

がらくた (新潮文庫)

 

読了日:2013/02/11

 

ああ、江國さんの世界だなーって感じながら読んだ。

一般的には「異常」や「狂気」といわれることが、当たり前のこととしてすんなり進む世界。

彼女の作品を読んでいると、結婚生活うまく言ってないんじゃなかろうかと、作品には関係ない余計なことをかんがえてしまう。

相変わらず透明な世界だった。

 

 

ふちなしのかがみ

ふちなしのかがみ

ふちなしのかがみ

 

読了日:2013/02/15

 

「踊り場の花子/ブランコをこぐ足/おとうさん、したいがあるよ/ふちなしのかがみ/八月の天変地異」

花子は、ぞくりとした。ホラーじゃないか!コレ!

天変地異は、切なかった。

私の辻村作品のイメージは、天変地異かな。

 

 

ジョーカー・ゲーム

ジョーカー・ゲーム

ジョーカー・ゲーム

 

読了日:2013/02/28

 

久しぶりに一気読みした作品。これはおもしろい!

結城中佐かっこよすぎる。細かく作り込まれた世界で引き込まれる。読みながらアンジーの「ソルト」を思い出してしまった。

本来推理ものとかミステリ系は苦手なんだけど、これは絶対続編も読む!

 

 

ダブル・ジョーカー

ダブル・ジョーカー

ダブル・ジョーカー

 

読了日:2013/03/01

 

まさに一気読み。前編よりもさらに、物語は奔放に。スパイを軸にした5編。

でも最終的には「D機関」ひいては結城中佐へと繋がるのネ。

 

途中からクセが掴めてきて、話の先が少しずつ読めるようになってきた。でもやっぱ魔術師だけは・・・。

しかし本当に「とらわれた」人はダメなんだね。人間味が見えて嬉しいんだけどねー。

 

 

パラダイス・ロスト

パラダイス・ロスト

パラダイス・ロスト

 

読了日:2013/03/09

 

ますますクールにスパイしてます。でも今回は人間味のある話が多かった。

 

「追跡」では結城中佐の過去が明らかになった!と思いきや、まさかの根回し。うーん、さすが!

毎回ぶち込んでくるD機関の説明や試験の話がちょっとうっとおしく感じてしまう。

次は柳さんの何を読もうかなー。

 

 

ユリゴコロ

ユリゴコロ

ユリゴコロ

 

読了日:2013/03/24

 

こんな衝撃を受けた作品は久しぶり。

作中の手記は淡々としてるのに不気味さが漂っていて、それなのに先を読み進められずにはいられない。この作品のメインは間違いなくこの手記!

 

ラストまで読んだ瞬間はハッピーエンドっぽくて安堵するんだけど、よく考えると…。

結局ミサコが何人も人を殺したことにかわりないんだけど、これでいいの?みたいな気分。不思議な話だった。

 

 

世界から猫が消えたなら

世界から猫が消えたなら

世界から猫が消えたなら

 

読了日:2013/04/18

 

猫好きとしては捨て置けんタイトルだったので読んでみたものの、なんとも深みを感じられなかった。着眼点は面白いのに、表現力がそれについていってないかな~といった感じ。書き方も、わざとこの文体なのだろうか?ちょっと軽薄な感じが否めない。

 

が。

猫がしゃべりだすという設定はいい。そして「猫は飼われているのではなく、人間のそばにいてくれているだけ」に心が揺れた。

あれ、この著者、結構有名な仕事してるんだ。

 

 

ストロベリーナイト

ストロベリーナイト (文芸)

ストロベリーナイト (文芸)

 

読了日:2013/03/21

 

ドラマが好きなので原作もってことで。

 

それにしてもドラマがいかに原作に忠実に作られたかがわかる。映像では捉えきれなかった、登場人物の細かな心理がわかってさに楽しめた。

ストーリーがわかってるのに、だ。これはこのシリーズ読破だなっっ!

 

 

ソウルケイジ

ソウルケイジ

ソウルケイジ

 

読了日:2013/04/02

 

やっぱり一気読みしてしまった。ドラマ見ていて内容わかっているのに、ついつい止まらず。

 

グロい部分も多々あったけど、前作ほどではなく。

大切にしている人のために自分を犠牲にできる高岡はすごすぎる。自分の腕とか切り落とせないよフツウ。。。

 

一気読みすると睡眠時間減ってしまうので、次の「シンメトリー」は休みの前日に読むことにする。

どうやら姫川と菊田はドラマの方が魅力的。

 

 

シンメトリー

シンメトリー

シンメトリー

 

読了日:2013/04/11

 

3作目は短編集。長編に比べて深い味がしないのは致し方ないか。

それでも姫川玲子を存分に味わえた感はある。

それにしても、原作を読めば読む程、ドラマの完成度を実感する。どの短編も、ドラマの方が掘り下げてあって好きかなー。

 

 

感染遊戯

感染遊戯

感染遊戯

 

読了日:2013/04/13

 

姫川シリーズ5作目。4作目は映画DVD見るまでお預け。

短編集でありつつ、すべてが繋がっている一冊。さらには、シンメトリーで書かれていた短編の真相も入っていて、なるほど、ドラマはここを引っ張ってきて一話にしたのかと納得。

この一冊はガンテツメインで今までの感じとは違うけど、それはそれで面白かった!

 

 

ジウ〈1〉―警視庁特殊犯捜査係

ジウ〈1〉―警視庁特殊犯捜査係 (中公文庫)

ジウ〈1〉―警視庁特殊犯捜査係 (中公文庫)

 

読了日:2013/04/22

 

誉田さんに味を占めたので、当シリーズにも手を出してみた。

グロさも物語の強さも相変わらず。姫川に比べてどうも主人公に感情移入しにくかったけど、まあ面白い。

 

3部作ということで、まだまだジャブ打ってるだけって感じ。

この先を予想するも、予想しきれない面白さ。警察内の専門用語(しかも漢字ばっか)がいっぱい出てくるんだけど、その辺はすっ飛ばして(笑)。

それにしても、私も基子同様、美咲みたいないい子ちゃんぶりっ子タイプは苦手だな~。

 

 

ジウ〈2〉―警視庁特殊急襲部隊

ジウ〈2〉―警視庁特殊急襲部隊 (中公文庫)

ジウ〈2〉―警視庁特殊急襲部隊 (中公文庫)

 

読了日:2013/04/22

 

いきなり謎の男の独白から始まる2部。要所要所ででてくるその独白は、いったいどんな風に本編に絡んでくるのか予想しつつ。

まあ、予想は的中したわけだけどもw

 

中だるみすることもなく、徐々に加速を見せる物語。激しい戦闘シーンも見もの。

これ、どんなふうに結末を迎えるんだろう。どうあってもハッピーエンドではなさそうだ。

 

 

ジウ〈3〉新世界秩序

ジウ〈3〉新世界秩序 (中公文庫)

ジウ〈3〉新世界秩序 (中公文庫)

 

読了日:2013/04/23

 

シリーズ読了。3冊続けて読んで良かった。

スピード感がすごくてグイグイ読んだが、ラスト付近はちょっと作り込み甘くない?的な。そこそこのリアリティを持ってすすんできたのに、歌舞伎町封鎖の辺りから漫画的世界になっちゃってちょっと興醒め。

ミヤジと雨宮の関連も見え見えだったわー。

でもま、全体的に面白かった!これは忠実に映像化できないと思うんだけど、ドラマはどんなんだったのかなー。

 

 

チーム・バチスタの栄光(上)

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)

 

読了日:2013/05/06

 

この前観た映画がテンポ良くて良かったので原作も。細かい設定が映画とは違うけど、これもまたよし。

物語のキーマン(とういうかもう一人の主人公?)となる白鳥が全然登場しなくてヤキモキ。結果はわかっているけど、とりあえず上下共に読み切ろう。

 

 

チーム・バチスタの栄光(下)

チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)

チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)

 

読了日:2013/05/11

 

いやいや、白鳥登場からの怒涛の巻き上げ。映画と細かい部分がちがうぜー。やっぱ小説の方が作り込まれている。

おもったよりもおもしろく、これはシリーズボチボチ読んでもいいかな。

白鳥がいい味だしてる。田口もいいね。映画の竹内結子の田口よりは深みがあった!飄々としててよいです。

 

 

ロマンス

ロマンス

ロマンス

 

読了日:2013/05/11

 

D機関シリーズからのコレ。ちょっと物足りないのは否めない。

でも犯人というか真相は「あ、そこ!?」みたいな驚きが。

それにしても柳さんは時代背景の使い方がうまい。華族や特高なんて、本当に存在してたのかと不思議になる世界だった。